認知行動療法

認知行動療法の「認知」について解説します

みなさん、こんばんは。
臨床心理士のゆり(@counseler_yuri)です。

今回は、私たちの「認知」についてまとめていきたいと思います。

認知とは?

認知とは考えやイメージのことです。

「言葉」だったり「映像」だったり、過去の記憶など、頭の中にある考えのことを認知と言います。

私たちは、ストレスフルな出来事があったから、嫌な気持ちになると考えがちです。

ストレス状況→結果(嫌な気持ち)

しかし、

認知行動療法では、
出来事と結果の間には、「考え(認知)」が挟まっていると理解します。

状況→考え→結果

 

同じ状況でも認知によって結果は変わる

同じ状況でも「どう考えたか」で、その後の反応や結果は変わってきます。

例えば、コップ半分のジュースを見て、「まだ半分もある」と考えたか、「あと半分しかない」と考えたかによって、気分もそのあとの行動も変わってくると思います。

「まだ半分もある」と考えた人は、安心したり、落ち着いた気持ちのままかもしれません。満足度が上がるかもしれません。

しかし、「あと半分しかない」と考えた人は焦りの気持ちや不満、不安などの気持ちを感じやすいのではないでしょうか。

実は「考え」は、私たちの気持ちや行動に対して、強い影響力を持っています。

考え方にはクセがある

考えには、クセがあります。

自分でも意識せずに、頭に浮かんでしまう考え方のパターンや癖です。

私たちは起きている間、頭の中に様々な考えが浮かんでは消え、浮かんでは消えていきます。例えば、朝起きた瞬間から「まだ寝ていたいな」「今日はどんな天気かな」など、頭の中に考えが浮かびます。

この勝手に出てくる考えのことを、自動思考と呼びます。

自動思考は、考え方の癖や自分なりのパターンが反映されやすいです。そして、自動思考はほぼ無意識に浮かぶからこそ、私たちの気持ちや行動は大きな影響を与えます。

まずは、自動思考に気づくこと

まずは、自動思考に気づくことが大切です。

自分にはどんな考え方のクセがあって、そう考えたときに、どんな気分の変化や行動を取っているのだろう…

自分の考えに気づく、自分の考えについて考えてみましょう。

自動思考のパターンに気づかないと、具体的な対策は取れません。

正体不明なものは脅威に感じる

正体不明なものは脅威に感じやすいです。

悩みや気持ちも、漠然としていて正体がわからないと、自分には解決できない大きな問題のように感じます。

どんな状況で、自分にはどんな思考が浮かんで、その影響でどんな気持ちになり、どんな行動を取っているのだろうか…

と、しっかり目を向けて、問題の構造を理解してみましょう。

メカニズムが分かると、少し客観的になれたり、気持ちが落ち着いてきます。

自動思考の癖にはスキーマの影響もある

自分にはどんな考え方のクセがあるのか分かったところで、

なぜ、そんな考え方が浮かぶのだろう?と思うかもしれません。

自動思考には、スキーマが関係しています。

スキーマとは、心の奥底にある価値観やルール。

私たちが世界を認知するときの枠組みのようなものです。

スキーマは、生まれた時から、今まで少しずつ築き上げたものです。

自分自身の性格や、環境、周囲の影響により、スキーマは形成されます。

周囲の人の言葉をそのまま内なる声として取り入れたり、社会的な規範や自分自身の経験から学んだことなどを取り入れて、スキーマは形成されます。

例えば、「人に愛されたい」というスキーマを強く持っていれば、「嫌われたらどうしよう」「みんなに好かれていないとダメだ」といった自動思考が浮かびやすいです。

スキーマと自動思考は関係しています。

自動思考の癖に気づくと同時に、こんなスキーマを持っているかもと自己理解を深めることも良いかもしれません。

自己理解の作業は自分ひとりで行うことが大変な場合もあります。過去に目を向けることで一時的に体調に変化があるかもしれません。主治医の先生がいる場合は、必ず相談してから行いましょう。