みなさん、こんばんは。
臨床心理士のゆり(@counseler_yuri)です。
本日はセルフコンパッションがうまく出来ないや、実施することが難しいときの対処法を紹介します。
セルフコンパッションについてはこちらをどうぞ👇
近年はセルフ・コンパッションに関する書籍やワークブックが数多く出版されています。しかし、実際に自分でやってみて、うまく出来なかったとカウンセリングを利用される方も多くいらっしゃいます。
自分でやってみて効果なしと諦めてしまうことはもったいないことです。うまく出来ないなと感じる方、難しいなと感じる方は参考にしていただければと思います。
Contents
注意事項
・主治医の先生がいる場合は実践前に相談することが必要です。
・体調が良くない時、気分が優れない時に実践することは控えるか専門家に相談しましょう。
・慣れないうちは専門家と一緒に実践されることをおすすめします。
参考文献
セルフコンパッションがうまくできないとき
私がセルフ・コンパッションを学ぶために8週間のプログラムに参加した際も、プログラム途中でつらい気持ちが大きくなってしまった方、参加を途中でやめた方がいらっしゃいました。
セルフコンパッションがうまくできないのはどのような理由があるのでしょうか。
自責傾向が強い場合
元々自責傾向が強い人は、自分に思いやりを向けよう、優しくしようと思っても、初めはうまくできないことが多いです。今までと全く違うことを試す場合、違和感を感じたり、なかなか慣れなかったりします。
今までの習慣を手放すのはとても大変なことですが、自責傾向は心身へのストレスが大きく、デメリットばかりです。
自分が取り組みやすいワークから少しずつ試してみましょう。
相反する気持ちがあるとき
今までのやり方を変えること、自分自身が変化すること、不安な気持ちがあって当然です。もしかしたら、「変わりたいけど、変わりたくない・・・」と、自分の中に相反する気持ちがあるのかもしれません。
心の中が葛藤状態だと、ワークがうまく進まない場合があります。
自分の中にどんな気持ちがあるか、どんな考えがあるか探ってみましょう。
「自分が自分ではなくなる感覚かもしれない。優しくしてもらえなくなるかもしれない。心配してもらえなくなるかもしれない。」
妨げているものは何でしょうか。
妨げているものは、過去の自分にとって必要なことだったかもしれません、何かを守っていたのかもしれません、それが今は不要でも習慣的に続けているものもあるかもしれないです。
自分で気づくことが大切です。そして、気づいたら批判したり否定せず、矛盾したものがあって当然と、共感を示すことです。
また、セルフコンパッションを実践して変わることのメリット・デメリットを書き出してみても良いでしょう。
過去の傷が関係しているとき
ワークがうまくできないとき、過去の傷が関係しているかもしれません。
過去の出来事を変えることはできません。
しかし、過去の出来事の「影響」は変えることができます。体験の意味づけを変えていく作業です。
もし過去の大きな傷が影響しているのかなと感じたら、臨床心理士、公認心理師などの専門家の先生に一度相談してみてください。過去の傷と向き合うためには、準備も必要です。タイミングもあります。相談をしながら慎重に進め、セルフコンパッションを高めていきましょう。
感情に圧倒されたときの対処法
セルフコンパッションを実践する中、自分の内側に目を向けることで感情が強くなることがあります。
感情は感じるけど、圧倒されない程度がベストと言われています。だいたい40%~80%くらいです。
感情は、過度に意識を向けたり、「なかったことにしよう」とせず、そのまま感じ続けていれば時間とも共に小さくなります。
しかし、なかなか難しい場合もあります。そんな時は、以下を実践してみてください。
- 「今、ここ」にいる感じを確かめる
- 休憩する
- リラックスする
「今、ここ」にいる感じを確かめる
足をしっかりと地面につけ、足裏の感覚に意識を向けることや、今の時刻を確認すること、自分自身をしっかりと抱きしめて手のひらの温度を感じるなど、「今、ここ」にいる感覚を確かめます。
休憩を取る
ゆっくりと水を飲んだり、しばらく休憩を取ったり、気持ちが落ち着くまでゆったりと過ごしましょう。拭き掃除など、軽作業に注意を向けてもいいです。
腹式呼吸をする
腹式呼吸で吸うより吐く方を長く、ゆったり呼吸を続けましょう。長く息を吐くことが難しい場合は、吸うと吐く呼吸を同じくらいにしてもいいです。1、2、3、4で吐いて、1、2、3、4で吸ってと数を数えながら呼吸する方法もあります。
カウンセリングで取り組む方法
自分はなぜセルフコンパッションができないのだろう・・・
その背景に何か隠れている場合があります。
カウンセリングをする中で、自分の心に引っかかっていることを知り、解決の方法や、自分に合ったもの、必要なものを一緒に探していくことができます。
例えば、私がセルフコンパッションを始めた頃、「ラビングカインドネス瞑想(慈悲の瞑想)」で言いづらい台詞がありました。その気づきがきっかけで、何故だろうと深掘りをしていくと隠れていたものがありました。心理士として活動していく上でも、この気づきは大きかったと思います。
自分一人で取り組むことが難しい場合、何が引っかかっているのか気になる場合などは、カウンセリングを利用する方法があります。