セルフコンパッション

逃走暴走反応「防犯ベルを止めるために」

みなさん、こんばんは。
臨床心理士のゆり(@counseler_yuri)です。

本日はストレスで活性化する逃走暴走反応関連のお話です。

人間はポジティブよりネガティブな情報に反応しやすい

わたしたちは、
ポジティブな情報よりネガティブな情報の方に反応しやすいものです。

もともと、大昔の話。人間は、危険な動物に襲われたときに、生存の確率をあげるために、ネガティブな情報に注目し、素早く行動する必要があった。ネガティブな情報に注目する性質が必要だっため、備わった。

現在は生命の危機に遭遇することは少ない。でも、ネガティブな情報への敏感さは残っている。

私たちには、ポジティブな出来事よりも、ネガティブな出来事に対して注意を向けやすい性質があり、注意を向ければ向けるほど、記憶に残りやすくなります。

例えば、会議でプレゼンしていても、頷きながら話を聞く人よりも、首を傾げて険しい顔をしている人の方が注意を引きやすいかと思います。

その人に注目すれば、するほど、その人が首を傾けている顔が忘れにくくなります。

闘争・逃走反応

私たちは、大きなストレスがかかったときに、「注意せよ!」と、体内で防犯ベルが鳴り響きます。

ベルが鳴ると周囲に敏感になったり、心臓がドキドキして、不安や緊張状態になります。

しかし、過去に大きなストレス体験があった場合は、この防犯ベルが小さなストレスに対しても鳴ってしまいます。

この防犯ベルは、ドーパミンという脳の神経伝達物質と関連しています。

ドーパミンがたくさん放出されると、ドーパミンは強い刺激になるので、寝つきが悪くなったり、睡眠に影響が出るかもしれないです。

ネガティブなことをぐるぐると考え心配しやすい

私たちは、
ネガティブなことをぐるぐると考え心配しやすいという性質があります。

その時に、ネガティブな感情も伴います。

ぐるぐる考えてしまうときは、だいたい、過去のことを後悔するか、未来のことを心配するパターンが多いです。

防犯ベルに気づき、防犯ベルを止めること

大切なことは、
防犯ベルが鳴っていることに気づき、不要なときは防犯ベルを止めること。

防犯ベルが間違えて鳴ってしまったときに慌てて逃げたり、戦ったりせず、誤報だと気づくこと。

そして、防犯ベルを、ほんとうにベルの音が必要なときだけに鳴るようにすることです。

そのためには何をすれば良いのでしょうか?

自分の内側にしっかりと目を向け、気づけるようになることです。

マインドフルネスの実践や認知行動療法のモニタリングなどで、気づく力を高めることができます。

そして、気づくことで、コントロールできるようになります。気づけるようになったら、そこから防犯ベルを止めるための対策を立てていく段階になります。

自分にとって止めるための方法はどんなことがあるのでしょうか。自分にとって有効な方法はなんだろうか。認知行動療法なのかもしれない、セルフコンパッションなのかもしれない、スキーマ療法なのかもしれない。実行して検証することです。