認知行動療法

認知行動療法のやり方や流れを臨床心理士が解説①

みなさん、こんばんは。
臨床心理士のゆり(@counseler_yuri)です。

認知行動療法の名前は知っていても、「どんな流れで取り組めばいいの?」と疑問に思う方もいらっしゃると思います。実際に認知行動療法のカウンセリングと思っても流れが分からないと申し込むのも不安かと思います。

今回から、認知行動療法の流れを紹介していきたいと思います。

 

 

認知行動療法を自分でやるのは難しい?

認知行動療法はCognitive behavioral therapy(CBT)と呼ばれる心理療法のひとつです。心理療法といってもストレスマネジメントスキルであるため、取り組むことでストレスと上手に対処できるようになると言われています。

自分で自分を助けるスキルとも呼ばれ、現在は自分のノートで取り組むための攻略本がたくさん出版されています。
でも、個人的にはちゃんと研修などを受けた心理カウンセラーと一緒にやって欲しいです。

なぜかというと、

  1. 自己流だと困った時質問できない
  2. 一時的に気分が悪くなった場合などフォローできない
  3. モチベーションを維持するのが大変

などなど、あげられるかなと思います。

また、自分で取り組んだり、私設のカウンセリングルームで実施する場合、医療機関にかかっている方は主治医に確認していただくようお願いします。

でも、医療機関には通院していない場合とか、メンタル面には困っていないけど、ストレスマネジメントの一つとして試してみたいという場合もあるかなと思います。

そんな方は認知行動療法を自分で試してみる方法もありかもしれません。

認知行動療法ではアセスメントが大切

認知行動療法をやる場合は、まずはアセスメントが重要になります。

自分の現在の困りごとを整理して、どんな仕組みになっているのかな?とメカニズムを理解する段階です。

だいたい前半でアセスメントをしっかりしてから、後半で実際に「認知:考え」の部分にアプローチしていきます。

  1. モニタリングで気づく
  2. アセスメントで理解する
  3. アタックポイントを見つける
  4. 新しい考えを出してみる
  5. 効果検証

大まかにはだいたいこんな感じです。

まずは自分のストレス状況や自分の中でどんな反応があるのか気づくこと、次に認知行動療法の基本モデルに沿って問題の仕組みを理解すること、そこに悪循環パターンがあれば、「そのパターンが続いちゃうのはなぜか?」とアタックできるポイントを見つける。

ここで、認知にアタックした方がいいね!という話になれば認知再構成法の出番です。

https://cbt-yoga.com/2019/05/01/cbt-cbt/

一般的に書店やインターネットで出回っている「ノートを使った方法」はこの認知再構成法(コラム法)がメインかなと思います。

流れとしては、新しい考えを出してみて、それによって悪循環パターンに変化があったか効果を検証します。

今回は、1.認知行動療法の基本モデルを紹介し、2.モニタリングまで解説します。

モニタリングなんてめんどいと思うかもしれませんが、モニタリングは超重要です!このステップをしっかりやらないと、認知行動療法をやる意味がないです!

認知行動療法の基本モデルとは?

こちらが認知行動療法の基本モデルになります。

認知行動療法では個人のストレス状況をふたつの相互作用で見ていきます。

環境と個人の相互作用

「どんな出来事や状況がストレスになっているのかな?」「自分に影響を与えているのかな?」と考えます。

同じことでもストレスに感じる人と感じない人がいます。

いったい、自分はどんなものにストレスを感じるのか?と考えてみましょう。

ストレスを理解することも大切。自己理解です。

個人内の相互作用

次に、個人内ではどんなことを起こっているのかな?という図です。

認知行動療法では、ストレッサーに対する反応を、「認知」「感情」「身体反応」「行動」の4つのカテゴリーに分けて、自分の中でどんな反応が起きているのか整理します。

  • 認知:自分の頭の中にある考えやイメージ
  • 気分・感情:ひとことで言い表せるような気持ち
  • 行動:外から観察できる動作
  • 身体反応:自分ではコントロールできない反応。ドキドキや手汗など。

 

この4つはそれぞれ別のカテゴリーですが、相互に影響し合います。

ネガティブな考えが浮かぶとネガティブな気持ちになりやすく、ネガティブな気持ちだとネガティブな行動を取りやすいです。ネガティブな行動が続くと、ネガティブな考えが浮かびやすくなり・・・と、ぐるぐると悪循環パターンになっている場合が多いです。

認知行動療法のモニタリングとは?

モニタリングとは、

具体的な出来事が起こった状況や、自分の中で起こっている反応や、目に見える反応を細かく観察すること。

CBTのモニタリングでは、

ストレス状況とストレス反応を「状況」「認知」「気分」「身体反応」「行動」の基本モデルに分類して観察し、ストレスのメカニズムを解明する資料集めをします。

つまり、ネタ探し。

資料がちゃんと集まらないとメカニズムは解明できないです。そのためにもまずはモニタリングが重要となります。

特にモニタリングを丁寧にやるのがおすすめな人は、自分の内的な体験を見ないようにしてきた方です。

・自分を抑えて生きてきた
・自分より周囲を優先していた
・大きなストレスがあった
・自分のことに気づくのが元々苦手

そんな方は、モニタリングをしっかりやることがポイントです。

ネガティブな出来事に対して、自分の気持ちや考えをモニタリングできない!って場合はポジティブな体験で練習してみるのもOKです。

それでも難しい場合は、別の方法があるので、今度紹介します。

モニタリングの方法

自分のストレス体験やネガティブな気持ちになった体験を観察しメモしましょう

たったそれだけです。

しっかりと観察して記録します。

リアルタイムでもモニタリングできるのが理想です。

でも初めからリアルタイムは難しいです。そのためには、まずは1日の終わりや空いた時間を使って振り返り、モニタリングする練習からスタートでOKです。その際は、なるべくストレス体験をありありと思い出しましょう。

また、頭の中で思い出さず、必ず外に出すようにします。

例えば、紙に書く。紙がなければスマホのメモでも良いです。最近はスマホの認知行動療法アプリでメモしている方も多いです。

モニタリングが上手にできるようになると、

  1. 自分の反応の理由を「状況」と「自分」の両側面から考えることができる
  2. 状況や気分に振り回されなくなる
  3. 自己理解が深まる
  4. 客観的になれる
  5. メタ認知力

などの効果があるかなと思います。

それでは、モニタリングの手順を紹介します。

ストレス状況を書き出す

まずは状況を細かく思い出すこと。

「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「どうした」と振り返ってみます。

ありありと思い出せるようになるべく詳細に状況を書きます。他人が見ても状況をイメージできるように詳しくです。

十分に書ききったなと思えば、次は自分の内側の体験です。

自分の内的な体験を書き出す

自分の中できれば、認知行動療法のモデルに沿って「認知」「感情」「行動」「身体反応」と思い出していきます。

  • あのとき、どんな言葉が頭の中に浮かんだかな?
  • どんな気持ちだったかな?
  • どんな行動を取ったかな?
  • 体にはどんな反応があったかな?
  • と思い出していきます。

 

こうやってモニタリングにより日常生活での自分のストレス状況を観察し、これから認知行動療法CBTに取り組むためのネタ探しをしていきます。